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チョコバナナ (雑誌) : ミニ英和和英辞書
チョコバナナ (雑誌)[し]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ざつ]
  1. (adj-na,n) rough 2. crude 
雑誌 : [ざっし]
 【名詞】 1. journal 2. magazine 3. periodical 
: [し]
  1. (n,n-suf) records 2. document 3. magazine 

チョコバナナ (雑誌) : ウィキペディア日本語版
チョコバナナ (雑誌)[し]
チョコバナナは、KKベストセラーズおよびティーツー出版から発行されていた、単行本形式のイラスト投稿雑誌。略称は「チョコバ」「CB」英語表記は「CHOCO(LATE) BANANA」。さくまあきらが編集長を務めており、当初は隔月刊で、のちに季刊誌となる。1996年に創刊され1998年に休刊となった。
== 概要 ==

* さくまが手がけていた週刊少年ジャンプの読者コーナー「ジャンプ放送局」(以下JBS)の1コーナー「ミスJBSコンテスト」には、毎回レベルの高い美少女イラストが投稿されていた。そのJBSが終了することになった時、レベルの高さを惜しんださくまが自費出版で続けることを選んだ。
* タイトルの由来は、縁日の屋台のチョコバナナ。「女の子しか買えないタイトルにはしたくなかった」「トッピング(絵)で風味が変わるというのもある」そうだが、のちにさくま自身「(命名に関して)失敗を認める」とコメントしている。
* 投稿は各コーナーに分けられ、さくま以下選考スタッフによって選ばれた作品が掲載される。投稿作品はランクによって点数が付けられ、白黒ページの場合、各コーナーごとの大賞「金のバナナ賞」には5点。その後4点、3点、2点と下がっていき、掲載時の大きさも変化する(のちに1点枠も追加された)。表紙を含むカラーページの場合、最も目を引く表表紙の最高作は7点、裏表紙と一ページ目の最高作は6点。その後5点、4点、3点枠がある。表紙カバー折り返しにも3枚ずつ作品が掲載された(3点)。当初はハガキのみの投稿だったが、投稿者たちの作品で漫画雑誌を作るという目標(さくま曰く「私はどこに14年もいたと思う!」)に従い、後に漫画作品も投稿の対象になった(10点)。
* 投稿作品が採用されると、別冊の小雑誌「チョコバナナチップス」が送られた。これは読者コーナー「バナナで栄養補給!」や添削専門のコーナー「添削テンサイ塾」も同じ。また、その「チップス」自体に掲載された人も対象になった。各界の著名人からの「チョコバナナ」に対する感想や、製作裏話などが載っていたと言う。
* 採用作品には、投稿者のデータとして住所(県または市)・氏名(ペンネーム)・獲得点数・生年月日・年齢・血液型が添えられた。さらに2巻以降は性別を表すスペード(男性)ハート(女性)マークが追加された。さくま曰く「誰でも仲間になれる本の第一歩」で、読者の「この人同じ県の出身だ~!」とか「私と一歳違いなのにどーしてこんなに上手いの!?」というリアクションが来るようにしたという。編集後記「サロン・ド・チョコバナナ」では、同じようにさくまたち編集者の生年月日も記されている。
* 掲載作品の多くには、スタッフ同士の会話という形でコメントが付けられる。内容は主に「採用されたポイント」「良かった点」「改良すべき点」など(単なる雑談やギャグに終わる場合も多い)で、そのため時に専門用語が飛び交うことも。1~5巻、一点枠が増設される前の各コーナーの最終ページは、「斬新」「意欲的」な作品が意識的に採用されたため、特にその傾向が強かった。そのコメントを受けた投稿者も、それ以外の読者も、さくまたちの教えを次の投稿に反映させる。そのような形でほぼ全員が毎回レベルアップして行き、しまいには「目つむって選んで、適当に並べてもおなじだ、これじゃ(byさくま)」「みんな上手くて、ずば抜けた人がいないのねん!(by榎本)」と、選考するほうが大賞選び・点数分けに苦労することになった。また、そのコメント等を通じて、絵や漫画に関するノウハウや心構えが学べるため、この本自体が「投稿作品を題材にした、絵や漫画のテキスト」としても機能するようになっている(採用作品の中には、読者に「悪い見本」を示すため、あえて採用された物もあった)。教えの中には人物の顔を下から見上げた構図の「アオリ」、コマとコマの間で、移動などの描写がないのに登場人物の位置関係が入れ替わる「切り返し」など、さくまが「プロと呼ばれる人でも半分以上が描けてない」と言うテクニックも存在する。
* 累計獲得点数に応じて、投稿者には様々な特典がつく。20点獲得すると投稿データの頭に「バナナマーク」がつく。いわゆる常連になった証である(ただし、該当者が増えすぎたため、3巻にて早くも廃止される)。50点獲得すると自己紹介漫画「バナナDAYS」の執筆権が与えられた。これも途中から枠を取り払い、誰でも参加できるようになった。そして100点に達した投稿者は名誉会員と呼ばれ、殿堂入りとなった。達成した次の号で自己紹介ページ「百点記念館」が設けられ、投稿者の直筆によるプロフィールや、会員番号などの発表が行われた。この会員番号は達成順ではなく、1~100(のちに99)の中から好きな番号を指定できるというシステムで、「名誉会員第一号は果たして1番を選ぶか?」という事も注目された。名誉会員となってからも通常の投稿は可能で、上記のデータの「獲得点数」の代わりに会員番号が表記される。彼らは後続の投稿者の乗り越えるべき「壁」となるはずだったが、時にその名誉会員の方が2点や1点枠に追いやられるという、激戦が毎号のごとく繰り広げられた。会員の中の希望者には、プロとしての仕事を斡旋(実際に希望者がいたかは不明)。さらに編集部への訪問も許可される。「名誉会員のみの増刊号・CBヒーローズ」さらにはトレーディングカードゲームなど、色々と計画を立てていたようだが、どれも実現せずに終わった。
* 本にはアンケート用紙(ハガキ)がはさまれており(製本段階で織り込むのではなく、完成後にページの間に挿入する)、読者が「好きな投稿者」「気に入った作品」などを選んで投書する。その結果は次号で発表されるが、名前だけで選ばず純粋にその号の気に入った作品で選ぶ読者達によって、毎回ランキングの顔ぶれが変化した。その様はさくまをして「本物の漫画雑誌でもこんなに激動のランキングってないよ!」と言わしめた。
* 出版費用は全て、編集長のさくまが私財の中から出している。そのため、出版コードを取ってはいるが、実質は同人誌に近い。なぜスポンサー等を付けなかったかについては「スポンサーがいる場合、相手次第で一日で(決定が)ひっくり返るのが、この業界の常」なので「自分で全部お金出して、妥協しない本にした」との事。販売そのものもKKベストセラーズのさくまの旧友に委託しており、10巻から彼が独立してティーツー出版になったため、そのままついていったとの事。
* かつての「マンガハウス」ほどではないにせよ、「まともな出版社なら3巻あたりで休刊が決定してたよ(byさくま)」というほど、売上は常に赤字だった。さくまの人脈・ネームバリューに加えて投稿作品のレベルの高さなどから、業界での注目度はそれなりに高かったが、CM等の宣伝活動がなかったことなどから一般への知名度は低かったのだ。「この苦境を乗り越えたい」等の思いから、読者自身があらゆる手段で宣伝活動をするチョコバナナ盛り上げ隊が発足した。かくしてCBは「みんなで作って、みんなで宣伝して、みんなで売って、みんなで買う、出版誌上類を見ない変な本(Byさくま)」となった。しかし状況はなかなか改善せず、「赤字埋めのためのゲーム製作に時間を割かなければならない」と、隔月刊だったのを12巻から季刊誌に変えた。「この波を乗り越えたら一気に月刊化をもくろんでいる」と、さくまは言っていたが実現せず。
* 毎回レベルアップを続ける漫画家の卵たちをメジャーデビューさせるため、さくまは自分が作ったゲームに常連達の絵をたびたび採用していた(関連作品の項を参照)。昨今、いわゆる「萌え系コンテンツ」の商品で、イラストやキャラクターデザインにアマチュア絵師を採用するケースが増えているが、(形の上でなら)同じようなことを10年以上前にさくまがやっていた事になる。もっとも、さくまはCB以前にも「ミスJBS」の常連に絵を描かせてもいた。
* NTTのサービスG-Squareでボツ作品の復活掲載をしたり、漫画情報誌「Comnavi(コムナビ)」に出張版を連載したりと、様々な形で展開してきた。季刊化してからはページ数を増やし、さらに投稿漫画が増えた14巻からはあたかも本物の漫画雑誌のごとく、掲載漫画のキャラクターで表表紙を飾った。
* 編集者と読者が一丸となって夢(漫画雑誌、月刊化)に向かって突き進んだが、その間にも出版界全体の状況は悪化の一途を辿っており、さくま曰く「有名な月刊漫画雑誌がCBより部数が少ないという話を聞いた」らしい。ついにさくまは16巻、98年秋の号にてCBを休刊させる事を決意した。それでもさくまは「次号最終刊です!と予告して終われるのは幸せなこと」と言っていた。本誌が休刊になってからも『宇宙人ショック』や『桃鉄4コマ劇場2』などの関連本の展開は続いた。漫画投稿もしばらく受けつけ、それを元に『チョコバナナ1999(仮)』という本を出す予定で、さらにラジオ版、さらなるゲーム化、TVアニメ化なども企画していたが、どれも実現しなかった。上記の「コムナビ」の出張版も、同誌の休刊と共に消滅した。「マンガハウス」の時と同様、プロ志望の常連の一部はさくまの元で修行していたが、デビューした者がいたかは不明。さくまは「みんなの方からチョコバナナ復活の機運が高まってきたら復刊する」と言っていたが、これも実現していない。
* 数多くのハガキ投稿者、同人アマチュア作家にイラストや漫画のノウハウを提供し、さらに実際にプロを輩出した。しかし、川添真理子以外は皆、休刊から数年以上経ってからのデビューで、さらにインタビューやあとがき等でさくまやCBとの関係に触れなかった(さくまの方からの言及もなかった)ため、熱狂的なファンを除いては、業界全体で長らく忘れ去られた存在となっていた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「チョコバナナ (雑誌)」の詳細全文を読む




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